腸内細菌が、生物本体が受けるストレスにどう影響するか調べた研究があります。
腸内細菌については、以前 乳酸菌・ビフィズス菌について記載しております。
※ご注意・・・本記事は、健康増進・情報共有の為の参考記事です。記事内で紹介する商品について、すべての病気・疾病に対してその有効性・効果を保証するものではありません。又、多量の摂取にて効果が改善することもありません。用量・用法は各商品の注意事項をご確認ください。
2004年研究成果は、科学雑誌に掲載されましたが、九州大学の専門教授チームが行った内容です。
ストレス感受性の実験~その1~
ストレス感受性の研究内容として、まず無菌マウスと、通常のマウスのストレス感受性を調査しました。
※無菌マウス:体のどこにも細菌が無いマウスの事。胎児は無菌状態なので、帝王切開で生まれた赤ちゃんマウスを、出産と同時にクリーンボックス内に移した。
実験1-①
無菌マウスと通常マウスをそれぞれ狭い箱に入れて動けなくしました。このように拘束することで、強制的に、マウスにストレスをかけます。そして、各マウスの血中のストレスホルモンの濃度を比較しました。
通常マウスのストレス度を「1」とするならば、無菌マウスのストレス度は、この時「2」となり、無菌マウスは通常マウス以上にストレスを感じていることがわかりました。
実験1-②
次に、無菌マウスに様々な腸内細菌を飲ませ、同様の実験を行いました。
今回、飲ませた菌は、善玉菌でも悪玉菌でもない「日和見菌」に分類されている菌です。
結果、無菌マウスと同様の結果で、通常マウス以上にストレスを感じていました。
実験1-③
実験②に続き、無菌マウスにビフィズス菌を飲ませて改めて実験を行った結果、ストレス度は、通常マウスと同程度まで減少しました。
ストレス感受性の実験~その2~
今度は、腸内環境が悪化しているマウス(悪玉菌多め)と、腸内環境が良好なマウス(善悪バランスがとれた良い状態)を比較します。
実験2-①
両方のマウスを、マウスが下に降りるには高い台の上に置いて、台の下にエサを置きます。(運動能力ぎりぎり限界の高さ)
一定時間経過した際の、それぞれのマウスの行動を観察します。
結果、腸内良好マウスは 恐怖を克服し、下に降りてエサを食べることができました。
一報、腸内悪化マウスは、恐怖からか、台の上でウロウロするだけで、下に降りることができませんでした。
実験2-②
今度は、それぞれのマウスの腸内細菌を取り出し、培養。それを、逆のマウスに移植し腸内環境を変化させます。腸内良好マウスへ、悪玉菌を 腸内悪化マウスへ、善玉菌を移植します。
そして、2-①実験同様、高い台の上に置きます。
結果は、なんと先ほどと逆のマウスが下に降りるという逆の結果がでました。
実験結果
上記2種類 3つの実験の結果、ビフィズス菌を飲ませたり、腸内環境を良好に変化させたことで、ストレスを感じにくくなったことがわかります。乳酸菌を飲ませた場合にも同様の結果が確認されました。
このような「ビフィズス菌や乳酸菌によるストレス軽減効果」は、腸から自律神経を介して脳に何らかの信号が伝わっているためにおこることが確認されています。
以上のように、腸内環境は精神状態・行動結果に影響します。そして、ビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌には、ストレス感受性を低下させる働きがあります。そのため、腸内環境を健全に保つことで、不安や焦りが生じる場面でも、落ち着いて行動できる可能性があるのです。
あるネット記事にて、人類最強の職業は 保母さん と見ました。
暴飲暴食をしない、小さな子どもたちとの多くのふれあい(オムツ交換や、保育環境)が、保母さんの腸内環境に作用し、免疫力・前向きな気力が生み出されている、と。
保母さん最強説の実験結果はありませんが、皆様の周りでも、「この人 腸内環境強そう」みたいな人いませんか?
もしくは、健康的で素敵だなと思う人は、腸内環境が良好なのかもしれませんね。
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