正論をぶつけると運がにげるかもしれない。
正論とは、道理にかなう正しい論理や主張のことを言います。
それを言われたら、誰も反論できないようなことです。
会社員や、仕事を続けていると、会社の計画や目標に沿った、正しい説明・方法・解釈・結果を求められます。
論理的であり、かつ道理にかなった正しい発言・行動が求められます。
しかし、単純に人間関係において、正論をつきつめていくと、思わぬことがおきます。
仕事人間ほど陥りやすい、運の逃がし方・運をつかむ対策を解説します。
正論で詰め寄っても相手は息苦しいだけ
「正論」を辞書で引くと、「道理にかなう正しい論理や主張」といった説明がなされています。つまり、「それを言われたら誰も反論できない」のが正論です。
だから、正論を述べた人は、その場の言い争いにはひとまず勝利します。
しかし、その後、人からは嫌われて、運気を落としてしますのです。
「あの人は確かに正しいですよ」
この言葉の後には、たいてい、「でもね」がつきます。
「あの人は正しいですよ。でもね、人の心がわかってないですよ」
「アイツは確かに正しい。でもね、偉そうな話し方が鼻につくんだ」
こうした周囲の評価を、正論を述べている本人だけが知らずにいます。
ある企業に、部下をうまく育てられない上司がいました。その上司は、部下を叱るときにひたすら正論を述べるのです。
「これは、明らかに○○君のミスだよね。大丈夫だとは聞いていたけど、なんで、段取りを最初から考えていなかったのかな?最初から考えておけば、絶対にこうはならなかったんだ。どうして、君は何も考えないのかなあ」
叱られたほうは反論する余地がないばかりか、小さな言い訳すらも許されないので、息が詰まってしまいます。結果的に、部下が次々と辞めていくため、管理能力が問われ、本人もなかなか出世できずにいるのです。
正論は人間関係を悪化させ、運も逃がすかもしれない
仕事に限らず、友人や夫婦関係においても、正論は嫌われます。
ある女性が、今朝起きた夫婦喧嘩について友人にグチをこぼしていました。
原因は、
「電球を取り替えてと頼んだら、すごく嫌な顔をされた」というものでした。
「まったく、何の協力もしてくれないんだから、ひどいと思わない?」と訴える女性に、友人はこう諭しました。
「それって、朝の出がけでしょう?会社に遅刻しないことが先決じゃない?これから働きに出る人にやらせなくても、あなたがやればいいじゃない?」
まさに正論です。
でも、そんな指摘をしなくても、「そうなの、それは腹がたったわね」を受け止めてあげることもできたのではないでしょうか?
正論をぶつけられている時、本人は、「そんなことは言われなくてもわかっている」のです。だけど、言ってほしくないことなのです。
そういう意味では、人間関係を壊したかったら、一番手っ取り早い方法は、相手を正論でやりこめる事です。
どこがダメかを指摘し、批判して、相手が効きたくない言葉を投げつければ、間違いなくその関係は悪くなります。
しかし、こういうことをやっていて、運がつくことはありません。
人間の勝ち負けは、理論の勝ち負けではありません。
もし、あなたが、誰かに対して正論を吐きそうになったら、「まずい、運が逃げる」とストップをかけて、言葉を選びなおしましょう。