リーダーとは、自動昇格ではなく、マネジメント層に相応しい人を登用すべきです。リーダー以外のメンバーが主体的にかかわることが大事であり、上司がマネジメントを理解しているだけでは、うまくいくことはありません。
今まで現場営業として成果を挙げてきた人は、売上を上げることに特化した知識・勉強をしてきました。そのような人が、マネジメントを行うリーダーとなるには、やはり仕事としてのマネジメント知識が事前に必要になります。リーダーに任命されてから、生まれて初めてマネジメントを学んでいく事となるのです。
今までの成果が、リーダーとしての適性に値するかどうかは、分からないのです。
「リーダーシップ幻想論」
人は、リーダーシップと成果を過剰に結びつける傾向があることを示した理論です。
リーダーシップ幻想論とは、リーダーシップの役割や影響力について過度に理想化された見方や誤解を指す概念です。この考え方は、リーダーが組織やチームの成功や失敗に対して過大な影響力を持っていると信じることが、実際には現実的ではないという主張に基づいています。
具体的には、以下のような点がリーダーシップ幻想論に関連しています:
過度な期待:
リーダーがすべての問題を解決し、組織を成功に導くことができると過信することです。
個人の影響力の誇張:
組織の成功や失敗がリーダー個人の能力や行動に大きく依存していると考えることです。
他の要因の軽視:
組織のパフォーマンスには、リーダーシップ以外にも多くの要因(例えば、チームメンバーの能力、外部環境、組織文化など)が影響を与えることを見落とすことです。
リーダーシップ幻想論は、リーダーシップの重要性を否定するものではありませんが、リーダーの役割を現実的に評価し、他の要因とのバランスを考慮することの重要性を強調しています。この考え方は、リーダーシップに対する過度な期待や依存を避け、組織全体の協力や多様な視点を重視するアプローチを促進するものです。
組織の栄枯盛衰とは
「ビジョナリーカンパニー 衰退の5段階」
「ビジョナリーカンパニー 衰退の5段階」は、ジム・コリンズ(Jim Collins)による著書『How the Mighty Fall: And Why Some Companies Never Give In』で紹介されている概念です。この本では、かつて成功を収めた企業がどのようにして衰退していくのか、そのプロセスを5つの段階に分けて説明しています。以下がその5段階です。
第1段階:成功から生まれる傲慢
企業が成功を収めると、その成功が当然のものと考え始め、過去の成功要因を見失いがちになります。これにより、リーダーシップや戦略の質が低下することがあります。
第2段階:規律なき拡大路線
成功に酔いしれた企業は、無計画に事業を拡大しがちです。新しい市場や製品に手を出す一方で、コアビジネスの強化やリソースの最適化が疎かになります。
第3段階:リスクと問題の無視
企業が問題やリスクを無視し始めると、内部の警告サインや外部の変化に対する感度が鈍ります。これにより、問題が深刻化し、手遅れになることがあります。
第4段階:一発逆転の追求
企業が危機に直面すると、一発逆転を狙った大胆な戦略やリーダーシップの変更を試みることがあります。しかし、これが逆効果となり、さらに状況を悪化させることが多いです。
第5段階:無力感と崩壊
最終段階では、企業は無力感に陥り、崩壊の一途をたどります。リーダーシップの喪失、社員の士気低下、顧客の離反などが進行し、最終的には企業の存続が危ぶまれます。
これらの段階を理解することで、企業は自らの衰退を未然に防ぐための対策を講じることができます。
まとめ
経営者として、または、組織内の管理者として、人材を活用しながら仕事を行っていく人々にとって、リーダーや、組織の成長、マネジメントの知識は、必須です。
今回は、まず知っておくべき2つの理論を記事としました。
次回以降、マネジメントについてお話をしていこうと思います。